20260709-10 農林水産委員会県内調査
- 7月15日
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7月3日に続き、農林水産委員会県内調査を行いました。
梅雨も明け、日差しが一気に変わる暑い調査となりました。
1.JA晴れの国岡山 冬桃がたりと旬感広場 晴れのち晴れについて
令和6年4月にオープンした県内最大の直売所を調査し、吉備路もも出荷組合様による冬期熟成する桃「冬桃がたり」の説明を受ける。

「冬桃がたり」は、岡山県総社市の吉備路地区で栽培されている希少な冬の桃であり、通常はは夏が旬の桃ですが、この品種は11月下旬から12月中旬にかけて収穫されます。
最大の特徴は、小ぶりながらも非常に高い糖度と、なめらかな果肉の質感です。夏の桃とは異なり、樹上でじっくりと時間をかけて熟成させることで、緻密な肉質と凝縮された甘みが生まれます。生産量が限られているため、お歳暮などの贈答用として高い人気を誇ります。吉備路もも出荷組合では、この独自の冬桃を地域のブランド産品として育成しており、冬に味わえる岡山の新しい味覚として、県内外から注目を集めています。
2.備中県民局管内の農林水産業の概要について
一路、笠岡市へ移動し備中県民局井笠地域事務所にて館内の農林水産業における説明を受ける。当管内は耕地面積 61,200haで対県比28.7%(内、田 48,100ha・畑 13,100ha)、林野面積は 484,357ha(県対比 34%)であり、乳・肉用牛は39,447頭、豚 29,409頭、採卵・ブロイラー 6,641千羽、水稲を中心に果実や野菜など多く生産をされている。また、養殖カキや養殖ノリも含め豊かな農林水産業のエリアです。
しかし、課題も山積しており農業従事者の高齢化と労働力不足、それに伴う耕作放棄地の増加。特に中山間地域では鳥獣被害の深刻化が生産意欲の低下を招いています。また、近年の資材・燃油価格の高騰等が経営を圧迫しており、持続可能な農業経営の確立が急務です。今後はスマート農業の導入による省力化や、高付加価値化による収益性の向上、新規就農者の確保・育成が重要な鍵となります。我々もしっかりと課題に向かい合い地域に耳を傾けて課題解決に力を注いでいきます。
3.有限会社エーアンドエス 事業について
笠岡湾干拓地内で畑地大規模経営を行う有限会社エーアンドエス様の集出荷貯蔵施設を調査。玉ねぎの繁忙期であり多くの玉ねぎが集積されている状況を確認しました。
笠岡湾干拓地において大規模な畑地農業を展開する事業者であり、主に玉ねぎやキャベツなどの露地野菜を生産、広大な干拓地を活かした機械化・効率化による経営が特徴です。
また、同社は生産だけでなく、集出荷貯蔵施設を自社で運営することで、収穫後の鮮度保持や計画的な出荷体制を確立しています。特に玉ねぎの生産においては、国の産地パワーアップ事業や強い農業づくり総合支援交付金などを活用し県内でも有数の規模を誇り、地域の農業振興や雇用創出にも大きく貢献しています。岡山県における大規模土地利用型農業のモデルケースの一つとなっており、委員会としても興味をもって調査ができました。

4.かぶとバイオファーム発電所について
笠岡湾干拓地内の家畜排せつ物を原料としたバイオガス発電施設を調査。
笠岡市の地域課題である排せつ物処理と再生可能エネルギーの創出を同時に解決する、資源循環型農業の先進的なモデルとして注目され令和6年9月に操業を開始しました。
施設では、メタン発酵によって発生したガスを燃料に発電を行い、一般家庭の消費電力に換算して年間約2,900世帯分に相当する電力を供給しています。また、発電の過程で生じる副産物の「消化液」は、良質な有機肥料として近隣の耕作農家で活用されており、耕畜連携による環境負荷の低減と持続可能な農業の実現に大きく寄与しています。
委員からの質問では消化液について、瀬戸内の牡蠣や海苔への活用はできないかとの提案もされていました。

5.JA晴れの国岡山東部 連島ごぼうのブランド力強化について
連島ごぼうの生産とブランド力強化に向けた取り組みを調査。連島ごぼうは、倉敷市連島地区に広がる砂地で栽培される、岡山県を代表するブランド野菜です。きめ細かく白い肌と、アクが少なく甘みのある柔らかな食感が最大の特徴で、国の地理的表示(GI)保護制度にも登録されています。
現在、生産現場では「連島ごぼう」のブランド力強化に向け、周年供給体制の確立や、若手生産者の育成による産地維持に注力しています。
しかし、課題として生産者の高齢化や後継者不足に加え、連作障害の防止や砂地特有の土壌管理といった高度な栽培技術の継承が求められています。

また、加工品の開発による付加価値向上や、販路拡大を通じた収益性の確保が、持続可能な産地づくりの鍵となっています。
6.農事組合法人 三輪営農組合の取組について
農事組合法人三輪営農組合は、総社市三輪地区において、集落営農の組織化による効率的な農業経営を実践しています。主な取組として、水稲、麦、大豆の土地利用型農業を中心に、地域の農地を一括して引き受け、生産コストの低減と農地の保全に努めています。
課題としては、組合員の高齢化に伴う担い手不足が深刻化しており、次世代への円滑な経営継承が喫緊の課題であり、地元在住の定年前世代へのアプローチをしているとのこと。また、生産資材の高騰による収益性の低下も懸念されています。今後は、スマート農業の導入による作業効率のさらなる向上や、付加価値の高い作物の導入、地域コミュニティと連携した新たな担い手の確保・育成を通じて、持続可能な地域農業の確立を目指しています。

7.JA晴れの国岡山 矢掛町イタリア野菜部会の取組について
JA晴れの国岡山 矢掛町イタリア野菜部会は、矢掛町の農家を中心に結成され、イタリア野菜を地域の新たな特産品として育てる意欲的な活動を展開しています。気候や土壌に適した品種を選定し、彩り豊かで市場価値の高い野菜を多品種栽培しているのが特徴です。
部会では、個々の農家が技術を共有し、品質の安定化とブランド化に注力しています。また、飲食店や都市部のスーパーとの直接取引、SNSを活用した情報発信を通じて販路を拡大し、高収益な農業モデルの構築を目指しています。こうした取り組みは、地域の農業に新たな活力を与え、就農者の定着や所得向上に寄与しています。

8.アウトドアビレッジ矢掛 Caffe dell Orto
調査を兼ねての昼食はこちら
9.JA晴れの国岡山 びほくトマト選果場について
JA晴れの国岡山 びほくトマト選果場は、高梁市や吉備中央町で栽培される「びほくトマト」の選別・出荷を担う重要拠点です。標高の高い準高冷地の気候を活かして栽培されるトマトは、夏から秋にかけて出荷され、その品質の高さから市場で厚い信頼を得ています。
選果場では、最新の光センサーを導入し、糖度や形状、熟度を瞬時に測定することで、厳格な品質管理と安定供給を実現しています。課題としては、生産者の高齢化に伴う栽培面積の維持が挙げられますが、選果作業の自動化・効率化を進めることで農家の負担を軽減し、産地全体の競争力強化を図っています。また、若手生産者の育成や「桃太郎トマト」ブランドの維持にも注力しています。

10.考察
今回の県内調査を通じて、備中地域の農林水産業は、希少な「冬桃がたり」やブランド野菜「連島ごぼう」、戦略的な「イタリア野菜」など、多様で高いポテンシャルを有していることを再確認しました。また、有限会社エーアンドエスの大規模経営やかぶとバイオファームの資源循環モデルは、持続可能な農業の先進事例として非常に重要です。
一方で、全地域に共通する高齢化や労働力不足、資材高騰という課題は深刻です。今後は、スマート農業による省力化と、選果場の自動化等の基盤整備、そして三輪営農組合のような地域ぐるみの担い手確保が不可欠です。
県議会としても、現場の創意工夫を後押しし、収益性の向上と次世代への技術継承を強力に支援していく必要があるとし考察とします。




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